「またお世辞?」褒められても素直に喜べない…すぐ人を疑ってしまう理由

「〇〇さん、その服すごく似合ってますね!」 「今度ぜひ、一緒にご飯行きましょうよ!」

会社でこんな風に声をかけられたとき、あなたは素直に「わあ、ありがとう!」と喜べますか?

それとも…… 「あ〜、また社交辞令だ」 「どうせ思ってもないお世辞でしょ」 と、言葉の裏を読んでしまいませんか?

あるいは、彼氏や彼女とのこんなやり取り。 「今日は友達と遊んでくるから、帰りが遅くなるね」と言われて、 「……本当に友達? 実は浮気してるんじゃないの?」 と、頭の中でモヤモヤぐるぐると疑ってしまう。

他人の褒め言葉を素直に受け取れない。 大切な人が言っていることすら、疑ってしまう。

恥ずかしながら、私自身もそうやってすぐに人を疑い、「相手は嘘をついているんじゃないか」と勘繰ってしまうタイプでした。

でも、これってものすごく疲れて、しんどいんですよね。 いつも気を張って、相手の言葉の裏を探る毎日は、心が休まる暇がありません。

では、なぜ私たちは、相手の言葉を疑ったり、「嘘なんじゃないか?」と思ってしまうのでしょうか。

原因は、あなたの中にある「嘘の世界」

結論から言います。 すぐ人を疑ってしまうのは、自分自身の中に「嘘の世界」があるからです。

「えっ、嘘の世界って何のこと?」と驚くかもしれません。 少しだけ、胸に手を当てて考えてみてください。

私たちは生きていく中で、意識的にも無意識にも、小さな嘘をつくことがありますよね。 その場の空気を悪くしないための建前や、相手を傷つけないための優しい嘘、あるいは自分を守るための見栄。

そうやって自分自身が「嘘(建前)」を使っていると、心の中に「人間は嘘をつく生き物だ」「本音と建前は違うのが当たり前だ」という世界(=価値観)が出来上がります。

わかりやすい例え:「赤いサングラス」

これがどういう状態か、わかりやすい例え話をしましょう。

あなたが今、「赤いサングラス」をかけていると想像してみてください。 その状態で真っ白な壁を見たら、当然「赤色」に見えますよね。 「この壁は赤い!」と確信しますが、実際には壁が赤いのではなく、自分が「赤いレンズ」を通して見ているだけです。

実は、疑い深い人の心の中も、これとまったく同じ状態です。

自分の中に「人は嘘をつく」という赤いサングラス(=嘘の世界)を持っていると、相手がどれだけ純粋な「真っ白な言葉(本当の気持ち)」を投げてくれても、すべてが赤く(嘘っぽく)見えてしまうのです。

逆に、本当に嘘をついたことがない人や、人を疑うことを知らない純真無垢な小さな子供には、この「嘘のサングラス」がありません。 「嘘をつく」という概念自体を知らないので、他人の言葉を疑うという発想すら生まれないのです。

「疑ってしまう自分」を責めないで

「じゃあ、私が嘘つきだからいけないんだ……」と自分を責める必要はまったくありません。 あなたが心の中に「嘘の世界」を作ってしまったのは、これまで社会や人間関係の中で傷つかないように、波風を立てないように、一生懸命に空気を読んで生きてきた証拠でもあります。

ただ、もしあなたが今、「人を疑うことに疲れた」「もっと楽に生きたい」と思っているなら。

次に誰かから「素敵な服ですね!」と褒められたとき、 「あ、また私は『嘘のサングラス』をかけて相手を見ているかもな」 と、ちょっとだけ立ち止まって、自分のレンズに気づいてみてください。

そして、勇気を出してサングラスを外し、「ありがとうございます、嬉しいです!」とそのまま受け取ってみる練習をしてみませんか?

最初は居心地が悪いかもしれませんが、少しずつ相手の「本当の優しさ」が、そのままの色で心に届くようになるはずです。